大乗仏教の教理・本質を
260文字に収めた経典
「#般若心経」は複数の仏教宗派で読誦(どくじゅ)される御経です。仏教の全経典の中で、もっとも短いといわれ、文字数は260余文字です。
般若心経の全文
仏説摩訶般若波羅蜜多心経(ぶっせつまかはんにゃはらみたしんぎょう)
観自在菩薩(かんじざいぼさつ)
行深般若波羅蜜多時(ぎょうじんはんにゃはらみったじ)
照見五蘊皆空(しょうけんごうんかいくう)
度一切苦厄(どいっさいくやく)
舎利子(しゃりし)
色不異空(しきふいくう)
空不異色(くうふいしき)
色即是空(しきそくぜくう)
空即是色(くうそくぜしき)
受想行識亦復如是(じゅそうぎょうしきやくぶにょぜ)
舎利子(しゃりし)
是諸法空相(ぜしょほうくうそう)
不生不滅(ふしょうふめつ)
不垢不浄(ふくふじょう)
不増不減(ふぞうふげん)
是故空中(ぜこくうちゅう)
無色(むしき)
無受想行識(むじゅそうぎょうしき)
無限耳鼻舌身意(むげんにびぜつしんい)
無色声香味触法(むしきしょうこうみそくほう)
無眼界(むげんかい)
乃至無意識界(ないしむいしきかい)
無無明亦(むむみょうやく)
無無明尽(むむみょうじん)
乃至無老死(ないしむろうし)
亦無老死尽(やくむろうしじん)
無苦集滅道(むくじゅうめつどう)
無智亦無得(むちやくむとく)
以無所得故(いむしょとくこ)
菩提薩埵(ぼだいさつた)
依般若波羅蜜多故(えはんにゃはらみったこ)
心無罣礙(しんむけいげ)
無罣礙故(むけいげこ)
無有恐怖(むうくふ)
遠離一切顛倒夢想(おんりいっさいてんどうむそう)
究竟涅槃(くきょうねはん)
三世諸仏(さんぜしょぶつ)
依般若波羅蜜多故(えはんにゃはらみったこ)
得阿耨多羅三藐三菩提(とくあのくたらさんみゃくさんぼだい)
故知般若波羅蜜多(こちはんにゃはらみった)
是大神呪(ぜだいじんしゅ)
是大明呪(ぜだいみょうしゅ)
是無上呪(ぜむじょうしゅ)
是無等等呪(ぜむとうどうしゅ)
能除一切苦(のうじょいっさいく)
真実不虚(しんじつふこ)
故説般若波羅蜜多呪(こせつはんにゃはらみったしゅ)
即説呪日(そくせつしゅわつ)
羯諦(ぎゃてい)
羯諦(ぎゃてい)
波羅羯諦(はらぎゃてい)
波羅僧羯諦(はらそうぎゃてい)
菩提薩婆訶(ぼじそわか)
般若心経(はんやしんぎょう)
※読み方(発音)は経本や宗派・寺院により若干の違いがあります。例えば無苦集滅道(むくじゅうめつどう・むくしゅうめつどう)、究竟涅槃(くきょうねはん・うきょうねはん)などです。
耳にすることが多い「色即是空=しきそくぜくう」は、仏教の根本教理とされており「この世のすべてのものは恒常な実体はなく縁起によって存在する」という意味といわれます。色不異空や不生不滅などについても、実体はなく生じることも滅することもない・・といった教えであり”空”という概念が中心になっているようです。
すべてを読誦(どくじゅ)する時間がないとき
羯諦(ぎゃてい)=”行く”という意味から最後の般若心経(はんやしんぎょう)のみを唱えても功徳があるという説もあります。
「般若心経」に書かれた文字・言葉の解釈については、多くの専門サイトがあります。ご関心のある方は、そちらをご覧ください。wikipediaによる般若心経の解説はこちら
般若心経の音読
youtubeで公開されている動画をご視聴ください。
般若心経を唱える宗派
- 天台宗:葬儀や法要では唱えられないものの、勤行で唱えるということです。教義の中心となる御経は「妙法蓮華経」ということです。
- 真言宗:宗派を問わず勤行や葬儀でも唱えるということです。
- 臨済宗:勤行・葬儀でも唱えるということです。
- 曹洞宗:勤行・葬儀でも唱えるということです。
般若心経を唱えない、または少ない宗派
- 浄土宗:「南無阿弥陀仏」という念仏を中心に「無量寿経」や「阿弥陀経」などを唱えますが、祈願する際に般若心経を唱えることもあるそうです。
- 浄土真宗:2つの宗派(本願寺派と大谷派)いずれも般若心経は唱えません。
- 日蓮宗:釈迦が伝えた法華経の教えが中心であり、般若心経は唱えません。
般若心経が持つ意味・目的など
「般若心経」は中国の僧侶で「西遊記」に登場する三蔵法師のひとりでもある「玄奘三蔵=げんじょうさんぞう」が、インドから持ち帰った「大般若経」の教え(大乗仏教の根底にある教義)を漢語に訳した600巻にもおよぶ原書から、その教えの本質を260余りの文字に短くした経典とされています。
日本では「聖武天皇=しょうむてんのう」が在位した時代(724年~749年|奈良時代に含まれる)から、1300年に渡り複数の
で唱えられている経典といわれています。筆者は仏教の識者でも特定の宗教による教義に、こだわりがあるわけでもありません。しかし長い歴史の中でいくつもの世代を超えて受け継がれ、多くの日本人が心の寄りどころとして、尊重し大切にしてきた教理のひとつであると思います。仏教の崇高な教えまで理解できていませんが文字を見ること、唱えることで心の平穏を取り戻す言葉としています。「般若心経」は仏教の教義(本質)を伝える役割だけでなく、音読または黙読するだけでも功徳があり呪文としての役割もあるといういうことです。識字率が低かった江戸時代くらいまでは、絵文字で伝えたこともあったそうです。
30年近く唱えています
筆者は経典を30年近く前に購入してから携えており暗唱もしています。寺院への参拝するときは持参しています。(般若心経や特定の宗教を推奨する意図は一切ございません)
心経奉讃分
筆者が携える経本に書かれている「心経奉讃文=しんぎょうほうさんぶん)には、下記のように記されています。
そもそも般若心経と申す御経は文字の数、わずかに二百六十余文字なれど、釈迦御一代の経すなわち天台経、毘盧遮那経(びるしゃなりきょう)、阿含経(あごんきょう)、華厳経(けごんきょう)、放等、般若法華経等一切七千余巻より選び出されたる御経なれば神前にては宝の御経、仏前にては花の御経、まして家のため人のためには祈祷の御経なれば声高々に読み奉るときは、上(かみ)は梵天帝釈(ぼんてんたいしゃく)四大天王、日本国中大小神祇、諸天善神諸に到る迄、哀愍納受(あいみんのうじゅ)して我等の所願を成就せしめ給う。
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