臨床実習は医学生として貴重な体験
病棟に出て臨床実習
五年次は1グループ数名の班に分かれて、年間通して病棟に出て臨床実習を行います。基本的には指導医の先生に付いて、担当患者さんが何人か割り振られ、その担当する患者さんが罹患している病気について勉強します。またカンファレンスでの発表もあるので、その患者さんについての病態を把握しておかないといけません。
臨床実習で学ぶ最新の知識や手技は、そのまま国家試験に出題されることがあるので、あまり手を抜かず真面目にやった方が後々自分のためになります。
実習の合間に指導医による班単位の講義があります。今までの講義と違い、少人数制なので先生から直接名指しで質問されることがあります。そのため勉強不足だとすぐにばれてしまいます。
お弁当が美味しかった(笑)
昼間や実習終了後にMRさんによる薬剤の説明会がある日があり、この時に医師のみならず学生にも弁当が配られます。ステーキ弁当やお寿司などもあり、これが凄く美味しいです。私はまず、先生方のお弁当の食べる速さにまず驚きました。医師はゆっくりと食事を楽しむ暇すらないのかと衝撃を受けます。
勧誘を受けることも
どの科に実習で回っても、言葉巧みに「将来一緒に働かないか?」と医局の勧誘を受けます。また指導医と仲良くなると実習後に飲みに誘われたりもしますし、お昼ご飯をおごって貰えたりもします。
実習中女子医学生の間では、この先生がかっこよかった、あのMRさんがイケメンだったという話で持ち切りになります。
成績の優劣で留年はないけど・・
五年次に進級できなかった人は数名いましたが、病気などの事情で、実習に参加できていなかった人たちです。基本的に実習の成績の優劣で留年することはありませんが、大学によって学年末試験がある場合があるので、その成績によって留年することはあり得ます。
四年生までにドロップアウトした人も数名いましたが、この人達は、世間に迷惑をかけたり自身の病気などの事情によってドロップアウトしていきました。医学や医師という職業に向いていないと考え自主退学していった人は一人もいませんでした。
コミュニケーション力
臨床実習が始まると、指導医の先生の元で勉強していきます。中には相性が悪い指導医に当たることがありますので、人間関係の問題でストレスを抱えることが増えると思います。またこれまでのように講義プリントと睨めっこしていれば一日が終わる状況とは異なり、現場ではやはりコミュニケーション能力が一段と重要であると感じました。
先輩医師のみならず、下手をすると看護師からも怒られることがあります。看護師の業務を邪魔したりすることのないようにしましょう。またope室での清潔野・不潔野の把握もとても大切です。
臨床実習は医学生として患者と接することができる最後のチャンスです。医学生だからこそ、患者が医療や医師に対して思っている本音・不信感などを聞き出すこともでき、将来医師となる上で貴重な経験・糧になると思います。
生活に時間的な余裕はあるけれど・・
実習で回っている科によって忙しさが違うのですが、午前中で実習が終了する日もあるので、遊ぼうと思えばたくさん遊べると思いますし、バイトをする余裕もあります。
医師国家試験に向けてのビデオ講座が五年次から配られていたので、私はそれを見るのに必死でした。またカンファレンスや手術見学の日は、場合によっては夜遅くまで拘束されることもありますし、朝早くにカンファレンスがある場合は早起きして病棟に行き、カルテの確認などしなければなりません。