御嶽信仰を受け継ぐ神域
愛知県日進市にある小高い山(岩崎御嶽山=標高131m)に鎮座する「#岩崎御嶽社 =いわさきおんたけしゃ」は、木曽の御嶽信仰(御嶽大神)の流れを受け継ぐ神社で、1860年(江戸時代末期)に尾張の僧であった「明寛=みょうかん」とその後輩にあたる「明心=みょうしん」によって創建されたということです。
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境内を参拝
正面の鳥居をくぐると左手すぐに御堂があります。
▲御堂には「八海山大頭神王=はっかいさんだいずらしんのう」様(写真左)と子どもの守り神である「十二権現=じゅうにごんげん」様(写真右)が祀られています。「八海山大頭神王」は眼病平癒のお力があるとされています。ご真言は「おんだいづら たつたりや そわか」です。
十二権現(じゅうにごんげん)は富士山の神「木花開耶姫命=このはなさくやひめのみこと」を勧請し祀られたもので「子授け、安産、子育」のご利益があるとされ、猿ぼこを奉納し祈願成就を願うということです。また写真掲載はありませんが御堂の中央には「不動明王」が祀られていました。
開祖殿
▲鳥居をくぐり石段を上ると1~2分で開祖殿につきます。山の中に続くような景色ですが、開祖殿までは約100m、その奥にある「本堂」までも100mほどの短い距離で参拝しやすい境内です。
▲祀られているのは御嶽信仰(木曽御嶽山を中心とした山岳信仰)の祭神と同じ「大己貴命=おおなむちのみこと」の神と「少彦名命=すくなひこなのみこと」の神です。いずれのも日本神話に登場する神さまです。「大己貴命」は、大黒様のルーツとも言われ七福神の一尊にもなっています。福徳を授ける神といわれています。
「少彦名命」の神は日本書紀に記されている名前で、代表的な神さまのひとりです。大国主神(おおくにぬしのかみ)とともに、国づくりをされたということです。医薬を司る神ともいわれ、小柄なお姿から一寸法師のルーツという説もあるようです。
おもかる石
▲開祖殿の中には「おもかる石」が置かれていました。初めに石を持ちあげ、祈願した後に再度持ち上げたときに、最初より軽いと感じると願いが叶うのが早いとされています。同様の伝承は多くの寺社・寺院にあります。
本殿
▲開祖殿を参拝のあと石段を少し上がると新しい「本殿」があります。建立年は不明ですが比較的新しいお堂のようです。
▲本殿内には護摩木(ごまぎ)が備えられており、自分の名前とお願いごとを書くとができます。全国の神社・寺院にありますが岩崎御嶽社は100円(多くは300円)なので、たくさんのお願いごとが出来そうですね。
▲本堂の裏手にも多くの霊神碑が建っていました。
お助け穴不動
隠れたパワースポットになっています。
「岩崎御嶽社」で隠れたスポットになっているのは、「本殿」近くの地下に掘られた穴に鎮座する「不動明王」です。”お助け穴不動”とよばれています。
その他の境内の写真
「岩崎御嶽山」は山全体が聖域になっており、多くの石仏や霊神碑が建っています。たいへん静かな境内です。参拝は10月中旬と12月初旬でしたが木々の葉を揺らす風が心地よく感じました。(写真は拡大表示します)
▲石段の途中に三毛猫さんが日向ぼっこしていました。年を取っているようでしたが、人慣れしているようで可愛かったです。他にも3匹ほど猫さんと遭遇。参拝者に可愛がられているようです。ずっと元気でいて欲しいです。
平成展望台のコンクリート像
境内前の道路を渡ると「平成展望台」があります。(一般道になっており、渡るときは自動車やバイクとの衝突事故にご注意ください)
(1)弘法大師の座像
▲コンクリート像の塑像家「浅野祥雲=あさのしょううん」の作といわれる弘法大師(空海)の大きな座像が鎮座しています。
(2)「阿闍梨和尚」の像
▲弘法大師像の右隣には「阿闍梨=あじゃり和尚」が鎮座。阿闍梨とは”規範となる”という意味があるそうです。
(3)「毘沙門天」の像
▲「阿闍梨和尚」の右隣には「毘沙門天=びしゃもんてん」の立像があります。毘沙門天は仏法を守護する神で、七福神の一尊にも数えられています。
(4)展望台からの眺め
▲展望台からは日進市や名古屋市東部を一望できます。
岩崎御嶽社の関連ページ
中之院 | 奥之院 | お助け穴不動 |
案内図
(1)Googleマップ
交通機関で行かれる場合は、名古屋市営地下鉄の東山線「星が丘」駅から、名鉄バスの五色園行きに乗り換え「岩崎御嶽口」で下車。徒歩で15分程度です。
(2)観光ルート図
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